2020-02-29
夢とロマンのためならば、手段を選ばず犠牲を厭わない。その狂気は、芥川龍之介の「地獄変」などに代表されるテーマだ。
かわいらしいキャラクター、美しい異世界風景、謎とスリルに満ちた冒険、魂をえぐるハードな展開。2017年のTV放送アニメ、最初は「子供たちカワイイ〜」って観てたんだけどなあ。劇場版は、残酷さがさらにグレードアップ。
アクションシーンの迫力なんかも見所なのですが、しかしやはり、子供がガチで酷い目に合う痛々しさが刺さる。複雑なのは、非人道的で酷いことをやっているのに、ある種の愛情があるのも確かだから。愛情を向ける対象が、死んだり苦しんだりするのに無頓着というか、びっくりするぐらい合理的に穏やかに受け止める。実に特異なキャラクターを悪役に持って来て、主人公パーティーが霞むほど。
ズルいなあって思うのは、世界の謎設定のおかげで次々「遺物」「不思議生物」という四次元ポケット的アイテムが出てくる点だ。なんでそうなる?と展開を不可解に思うこともある。最後に決めたのは、既存のアイテムだったのでちゃんと納得できたけど。
アビス世界の謎っていうか伏線については今回さっぱり触れられなかったけど、それがどのように回収されていくかは、やっぱり気になる。冒険の旅はまだまだ続く。原作漫画買おうかなあ。
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