「PLAN 75」
2023-01-04


京都みなみ会館は数年前にリニューアルオープンし、おしゃれな外観に上映作品も企画も結構魅力的。ただし、封切りからちょっと遅れて上映。
「PLAN 75」は2022年カンヌで評価され、ざっとした設定は知られていました。早川知恵監督のオリジナル脚本は、近未来型「姥捨て」物語。若者が老人を虐殺する冒頭が、リアルにあり得そうで怖い。繰り返される惨劇に、老人施設では来訪者に対しボディチェック、政府は老人に積極的な死を選んでもらうための手厚い制度を定めた。
しかし、姥捨てっていうのは、年寄りを送り出す側の哀切の物語でもあります。制度に関わる若者たちの、割り切れない、暗い目。最終的な仕事に関わるのはお金に困っている外国人っていう、そういう細かいところが、リアル。
主演の倍賞千恵子は、さすがの貫禄、存在感。か弱い老人のリアル、芯の強さと親しみやすさを兼ね備える。
慎ましくも整頓され清潔感のある生活を送るミチ、78歳。仕事も住む家も見つからず、生活保護に頼ることも考えたけど、いずれ一人でひっそり死んでいくことを思うと。
ミチの選ぶ、未知の道。
[映画]
[映画タイトルハ行]

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