「白い牛のバラッド」
2022-04-30


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この土曜から、長めのお休みスタート。
今年はあんまり映画を観に行けていない。見たい作品もポツポツあるのに。この連休には、もう少し映画館に行けるかな。

ババクは確かに被害者と揉めていたし、手を上げることもあった。しかし最後にトドメを刺したのは別の人物だったのです。
そんな事を、彼が死刑に処されてから一年後に発覚したらどんな気持ちになるか。
愛する夫を失い一人で子育てしてきた妻は。
見当違いな人物を殺人者だと信じて恨んで死刑を望んだ被害者遺族は。
嘘の証言を真に受けて殺人罪と死刑を判決してしまった判事は。
けっこうしばらく前に観た、イランの映画。中国の次くらいに死刑執行が多いイラン国内では当局からの規制でほとんど上映されなかったと聞けば、逆に観たくなるもの。
真犯人(実は、この映画では話の中しか登場しない)以外の人たちは決して悪人ってわけじゃないのに、みんながちょっとずつ誤ってしまう。それは人間の感情としては十分理解できて、間違ってはいないハズなのに、それでも間違っていく。
映画を見ている時はよく分からなかったことがあって、あとで知って納得だったのが、あちらでは殺人事件の被害者遺族が殺人犯への罰を死刑か賠償金支払いか選択できるということ。「目には目を」の国らしいっていうか、遺族感情に寄り添ったシステムとも言えますが、これが冤罪となるとヒドイことに。
マリヤム・モッガム(主演も)とベタシュ・サハイナの共同監督・脚本で、シンプルな設定を深みのある心理サスペンスに。しかしイラン映画の特徴で、核心的な部分をぼやかして観客の想像にゆだねてくるのです。あの後彼女たちがどうなったのか、ラストシーンの先が、気になるう。
[映画]
[映画タイトルサ行]

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