「ゲゲゲの女房」
2013-01-06


NHKの朝連ドラで大人気だった妖怪漫画家貧乏夫婦生活。
 ドラマの方も見てなかったんですが、映画版は、だいぶ様子が違いそう。
 なんていうか、暗い。新春早々、暗い。
 奥さんが無表情のまま、とぼとぼ歩く姿がとっても陰鬱です。
 まあ、分からんでもないです。
 生活は安定してるって聞いて、ろくに知らない片腕の男に嫁いでみたら、ツケのたまった貧乏住まい。この時点で、すでに詐欺被害者みたいなもんです。頑張って描いた漫画は「売れない、人気無い」と散々な言われようで、原稿料も約束どおりもらえず、苦労は報われず。何にも知らない姑がのんきな顔して嫌味ったらしくアレコレ注文してきて。
 あれをやって、これをやってって指示されるばかりの生活。辛いなあ。
 しげるさんの漫画はいつか認められますよ。
 って、夫を励ますいいセリフなハズなんです。奥さんが、もうちょっと明るい顔で言ってくれれば。
 貧乏は平気、命までは取らない。
 って、惨い戦地から帰ってきた男らしく含蓄あるセリフのはずなんです。でも、そのあと、貧乏で餓死した若者の話がでてきたりして。
 どうも、感動すべき点で素直に心動かされない。
 貧乏でも信念を持って、心は明るく。……なんて、考えてみれば、何かの幻想って気もします。暗い顔した奥さんの方が、リアリティはあるかなあ。
 終盤、漫画雑誌で描けるようになって、ようやく、ちょっとだけ空気が軽くなってきますが。
 明るいのは、浮世離れした漫画ワールドと、踊る妖怪たちだけって感じ。
[映画]
[映画タイトルカ行]

コメント(全0件)
コメントをする


記事を書く
powered by ASAHIネット