「精霊の守人」
2010-06-15


明日からまたお仕事に戻るのですが。
休職中は上橋菜穂子をたっぷり読めました。
それで、昔書いた感想を引っ張りだしてきました。



「いいかげんに、人生を勘定するのは、やめようぜ、っていわれたよ。不幸がいくら、幸福がいくらあった。(中略)金勘定するように、すぎてきた日々を勘定したらむなしいだけだ。おれは、おまえとこうしてくらしているのが、きらいじゃない。それだけなんだって、ね」

 アニメ版は、話が間延びしてしまったのが残念でしたが、異様に気合の入った作画とチャンバラの格好良さに感動して視聴していました。そして最終回。幼い皇子と女用心棒との別れのシーンは、シンプルですが、じーんときましたよ。
 ずっと以前に、ラジオドラマでも聴いていたので、おおまかなストーリーは知っていたのですが。アニメ最終回に合わせて図書館で借りてきた原作小説が、一番面白かったです。こまかい設定とかが、分かりやすくって。作者は文化人類学やっていたそうで、世界観がすごくしっかりしているのです。
 子供向けファンタジー小説のヒロインが、年齢30歳というのは異例だと思うのですが、彼女がもう、格好いいのですよ。強く、優しく、(アニメ版では)美しい!
 彼女と、精霊の守人となった皇子を助ける、呪術師のばあさんもまた、格好いいのですよ。強く、凄く、(アニメ版では)ぶっとんでて。
 児童小説いいなあ、字が大きくて読みやすいし、起承転結と問題提起がシンプルで。
 原作は全10冊と、外伝があるそうです。続きも読んでみようかなあ。女用心棒が自分の過去にどう向き合うのか、生き延びた皇子がどう成長していくのか、薬草師のにいさん(めっちゃいい人)の報われない片思いがどうなるのか。
[読書]
[上橋菜穂子]

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