「驟雨」
2010-05-07


なんかもう、春を飛び越して夏が来てしまったような連休でしたが、灰色の平日がもどり、今日は今朝から雨で。

 ドライな関係を求めて娼婦を買ったはずなのに、いつの間にやら彼女に対してトキメキやら嫉妬心やらを持つようになってしまった男の、ちょっと妄想交じりな苦悩。
 と、しか言いようのない話。
 なんだかあんまり実のなかった、だらっとした連休中に読んでいた、吉行淳之介。
 何年か前に図書館の「もう古くなった本差し上げます会」でもらった短編集ですが、その時も思ったものですが、どこにポイントを置いて読めばいいのか、よく分かりません。今回再読しても印象変わらず。日本語で書かれた小説で、ここまで理解不能なのも珍しいです。
 この世界の何かを、丹念にすくい上げています。表現が絵画的というか(視覚的というのではなくて)、あるモノや現象をひどく印象的に抽象的に取り上げるのですが、ストーリーらしいものが乏しいせいでしょうか、やっぱり私には分かりにくい。
 いくつかの短編の中で最も掴みどころがないと思ったのが、確か芥川賞取った、「驟雨」。じりじりと娼婦にのめり込んでいく男の焦燥を、滑稽と笑えばいいのか。私が男だったら、もう少し理解できるのかなあ。
[読書]
[作家別ヤ行]

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